歯科のトピックス

歯科界が担う口腔機能低下症への対策

前回もアップした『口腔機能低下症』・・・・我々が学生時代に学んだ時分にはこの病名は有りませんでしたし、その概念すら学問的に議論されることは無かったような気が致します。

歯科医師国家試験でも摂食嚥下に注目

ところが・・・・
2019年に歯科医師国家試験をクリアした愚息に訊いてみたところ、今の時代には『摂食嚥下』にまつわる出題が多数を占めていたと申しておりました。私の記憶が間違ってるのかもしれませんが、30数年前の私の国試の時には一題も出題されてなかったように記憶しております。

生活習慣病排除の鍵を握る口腔

何故ここまで注目されるように変わって来たのか・・・・
いわゆる疾病の『メタボリック・ドミノ』の出発点でもある生活習慣病的要素の排除に着目され始めたからに相違ありませんでしょう。
すなわち歯周病むし歯による歯の喪失が、『むせ・食べこぼし・滑舌低下(オーラルフレイル)』に繋がり、それが下記の口腔機能低下症の状態を引き起こします。

口腔衛生状態不良・口腔乾燥・咬合力低下・舌口唇運動機能低下・低舌圧・咀嚼機能低下・嚥下機能低下

そうなってしまうと『摂食嚥下障害・咀嚼障害』は避けられず全身を蝕んでしまう・・・・だったら上流域に位置する歯の喪失を抑止し、オーラルフレイルの予兆が見られた時点で対策を講じればナンとかなる・・・ってことなんだろうと我々歯科医は理解しています。

医療費の削減は喫緊の課題

御存知のように我が国においては医療費の削減は喫緊の課題でありましょう。
口腔の機能低下の先にある全身疾患予防のためにも、国がまずは口腔機能の維持を推進しようとしているのは間違いがありません。
その為にも保健医療機関としてスタッフ一同で『口腔機能維持』の十分なる知識を持ち、皆さんをサポート出来るようでありたいと願います。

同時に、いずれどんな方もその年代に入って行くワケですから、自分自身の健康増進のためにも口腔機能維持はとても大切かと考えたりして居ります。

酒井直樹

酒井直樹

医療法人SDC 酒井歯科医院 理事長 / 院長

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