治療に関すること

歯ぎしり・くいしばりが口腔に与える悪影響

ナンでもかんでも『新型コロナウイルス』に結び付けて論じるのは如何なモノかと思いますが、多くの方にとってストレスの高まりは間違いはないんでしょうね。一般的にストレス由来と言われる『くいしばり(噛み締め)』や『歯ぎしり』が増えて来た実感が我々歯科医療従事者の間にも広がって来ています。

今ひとつピンと来ない方が大勢かと思うのですが、我々は普段 食事中以外は上下の歯を接触させてはおりません。顎は脱力(開けるでもなく閉じるでもなく)すれば前歯で2㎜前後の隙間が出来るのが本来の顎のポジションとなります。
今この瞬間に上下の歯がもし噛み合ってたとしたら・・・それは異常であり、歯であり歯ぐきにおいて下記の様な不具合が・・・はてまた顎にまでトラブル症状をもたらしたりもするんですよ。

❶ 歯を支える組織である歯ぐきや顎の骨に大きな負担が掛かることで歯周病が早く進行する。

❷ 常に上下の歯を接触させてると、歯がすり減り易く、平べったい歯になったり知覚過敏を生じさせる。

❸ 歯ぎしりの強大な負担(普段の3~4倍もの負荷)やくいしばりの微弱ではあるけれど長時間に渡る荷重が加わることで、歯に亀裂が入ったり、歯の詰め物が取れたり、場合によっては歯自体が折れる可能性が生じる。

むし歯とかではない歯や顎に痛みや違和感を感じるようになりがちです。『噛むと痛い』という訴えや『噛み合わせがおかしい』といった症状が多くなる。

歯ぎしりは大きな音が出ることがあるので、ご家族の安眠妨害になったりする。

かみ合わせの筋肉が常に緊張しているため、筋肉の起始部(側頭部やこめかみ部、顎のエラの部分)に痛みや違和感を生じる。

❼ 野球のピッチャーが肘を酷使して傷めるように、顎への強大な力は顎関節を傷める顎関節症の原因になりうる。

まずは御本人にお気付きいただくことが最良の対策方法かと思うのですが、なかなか御理解いただけないのも事実・・・。
残念ながら悪化の一途を辿りどんどん歯が無くなっていかれる方も・・・少なからずいらっしゃいます。(泣)

酒井直樹

酒井直樹

医療法人SDC 酒井歯科医院 理事長 / 院長

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