おそらくはほとんどの方が御存知ないかと思うのですが、歯科の分野にもフレイル(加齢により心身が老い衰えた状態)の視点が導入され『口腔機能低下症(オーラルフレイル)』という病名が保険収載されるに至り、それに伴い様々な検査機器を用いて機能低下を数値化する事が出来る時代になりました。
検査の対象はナンと昨年春からは『50歳以上』に引き下げられてまして・・・ってことはその世代から機能低下の意識をお持ち下さいってのが厚労省の方針なんだろうとは思いますが、現実問題として私自身もなかなか自分の衰え・・・特に口腔機能の衰えには気が付きにくい事実を鑑みますと50歳からのチェックの意味合いに頷ける想いもいたします。
一番簡単な検査法の『舌口唇運動機能低下検査』をスタッフの協力を得て動画にしてみました。
これは『パ』とか『タ』とか『カ』を5秒間に何回発生出来るかってのを測定するのですが、その際には便利な機器がありまして・・・『健口くん(※)』って称するのですが、ホントに即座に正確な発音回数測定が可能になりました。
※ オーラルディアドコキネシス(口腔の反復運動機能)の評価測定器
さて、どうしてこの『3音』なのかって申しますと・・・
●『パ』・・・食べ物を取り込む際に使う口唇で発せられる音
●『タ』・・・食塊形成時に用いる舌前方で発せられる音
●『カ』・・・食塊を咽頭部に送り込む時に使う舌後方で発せられる音
つまりは一連の咀嚼動作に用いる機能を網羅してるってワケでして、摂食嚥下機能の衰えを見極めるには重要な3音ってことになり得るようです。動画のようにチェックはとても簡単です。スタッフにお声掛けいただければ即座に可能です。
考えてみますと・・・
お口には『食べる・話す・呼吸する・表情を作る』といった日常生活に欠かすことが出来ない大事な役割があります。老域に差し掛かって身体の衰えに苛まれる事なきように早期(50代に入ったら)機能強化に努めて諸機能の維持に努めQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を高めて行きたいモノであります。
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2022.11.16
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