院長の研鑽

お子さんの口(歯並び)に異変が起きてる!?

いつだった歯科医師会の『e-ラーニング』のシステムに関して書き記したことがありました。
最近では随分とWebセミナーの方に軸足は移っておりますが、動画には動画の良さがあるように文章ならではの深い『学び』もあるので毎月の会員宛の配布雑誌(会報)は良き刺激になっているんですよ。

小児の口腔内に異変が起こっている

そんな中、臨床上でも近年 時折感じて居た小児の口腔内の異変をしっかりと取り上げていた下記の研修は実に読み応えがありました。一般の方には俄には信じ難かろうかとは思うのですが、昨今のお子さんは・・・全員が全員とは申しませんが、異様に歯の生え方がおかしな子が目立って来ているんです。(泣)

子ども達の歯列・顎に何が起こっているのか
~下顎第二大臼歯の萌出障害について~

広く国民的な運動として食育基本法(2005年6月10日成立)が施行され,食への関心が高まっているが,それと同時に咀嚼の大切さを再認識しなければならない。食べ物を口唇でとらえて,それを歯で咀嚼し,細かく軟らかくなった食塊を飲み込むという一連の動きもできない子どもが増えている

最近では0歳児からの口腔機能育成が叫ばれ,乳幼児期においては,正しい咀嚼や食行動を獲得して,この時期から頭部,顎を支える体幹や正しい姿勢を保つことが 重要であると言われている。そのため子どもの成育全般に対して規則正しい生活リズムでの良好な生活習慣の確立を目指し,歯が生える前の0歳から歯科を受診し,健診,指導を受けることを推奨している。

私たち現代人の食事は調理され,一生懸命に咀嚼しなくてもよい軟らかな料理が 増えている。このため,一回の食事に要する咀嚼回数が減少しているのも事実である。咀嚼回数が減少するということは,唾液の分泌量も減少し,結果的に飲み込めない現象が生じる。

そのためお茶やジュースなどで口の中の食塊を流し込む子どもが増加している。では日常の食生活をどのように変えたら良いのだろう。まずは嚙みごたえのあるものをよく嚙んで食べ,咀嚼回数を増やすことだろう。調理の仕方にも工夫をすることが大切であり,日常の食生活指導の強化が急務である。

日本歯科医師会・会員誌より

使われない身体の一部は退化していく・・・

皆さんの中にも親知らずの歯が斜めに生えたとか横倒し状態(水平埋伏と言います)だった・・・なんて話を耳にした事があるかもしれません。
写真は本来は正常とは言えないのですが、左端に見える親知らずはこういったケースは珍しくないので現代では異変とは言えませんでしょう。
むしろ正常に生えている親知らず(第三大臼歯)を見掛けることの方が珍しかったりも致します。

・・・ですが、こうなると厄介です。
写真のように本来なら真っ直ぐに立っているはずの第二大臼歯(親知らずの手前の歯)までもが斜めに生えて来てしまう・・・(泣)
ナニやら異変が起こってるように感じてしまうのも無理はないですよね。

確認をしたわけではないので無責任な言い方になってしまうかもしれませんが、野生動物に歯並びの悪い個体が居るってふうには考え難かろうかと思うのです。あったとしても相当にレアケース・・・高確率で歯並びが凸凹状態ってことは無いように思うのです。
昨今では未病治療という言葉がよく使われるようになっておりますが、大人になってからでは手遅れと・・・言うか、そこから顎を発達させることは出来やしませんでしょう。(泣)
鉄は熱いうちに打て・・・幼少の頃から発達を促すような咀嚼を日常に取り入れていただけると宜しいように思います。

酒井直樹

酒井直樹

医療法人SDC 酒井歯科医院 理事長/院長

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