ここのところ増えて来てます、歯の破折。
それが表面的なモノであればナンとかなりますが、歯根まで真っ二つとなれば・・・まず保存は不可能になります。(泣)
生活歯にまで起こり得る昨今
御存知の方も多かろうかと思いますが、『神経が有る歯(生活歯)』は丈夫なのですが、『神経の無い歯(失活歯)』は脆くて割れやすいのです。例えて言うなら生木はしなって簡単には折れませんが、枯木はポキポキ折れてしまうのと同様であります。
これは昔からそうなのですが、昨今では前者の丈夫なはずの『生きてる歯』までが破折してしまうケースが多くなりました。
無自覚の歯ぎしりが原因になり得ます
転倒とか事故ならまだしも、増えてるように思うのが『歯ぎしり』原因でしょうか。
意識下では出せないようなトンでもない咬合力で歯を噛み砕いてしまう防ぎようのないトラブルですが、これが厄介なのは御自身に歯ぎしりの自覚が無いことでありましょう。
口腔内を拝見すれば『歯ぎしり』の痕跡だらけなのですが、御本人は否定をなさる・・・我々歯科医療従事者にとって日常茶飯事であります。
差し歯の方は要注意!
一番多いケースとしては、奥歯を失ってる方で前歯部にいわゆる『差し歯』が入ってる方の破折トラブルです。
特に金属のピン状のモノを歯根に差し込んで歯を作ってる方は十二分に御注意下さい。
私自身もかつて歯科医になったばかりの頃にはそれしか手法がなかったので金属の土台を使ってましたが、20年ほど前からは一切用いなくなりました。
カーボン製のファイバーコアが主流
今どきはカーボンファイバーの柔軟性のあるピンが主流。
金属に比べて歯根が折れる可能性は明らかに低いので、万が一 そういった土台を立てる治療をせざるを得なくなった際には『柔軟性のあるファイバーコアで支柱を立てて下さい!』ってかかりつけの歯科医にお願いしてみては如何でしょうか?