縁あって数ヶ月に一度 朝日新聞折り込みの『朝日サリー』さんの『健康MEMO』なるコラムに下記の拙文を書かせていただきました。
今回のテーマは『お口の中もスキャンする時代!』。
開業時はモチロン、つい10年ほど前にだってここまで進化するとは思ってはいなかった歯科のDX化。
うっかりすると浦島太郎になっちゃいますので気を付けねばなりません!(汗)
『 お口の中もスキャンする時代! 』
➊ 歯科におけるDX化
業種を問わずにデジタル化の嵐が吹き荒れています。歯科でもレントゲン・カルテ・御予約等のみならず多くの方が苦手とするあのグニュッとした「型取り」が大きな進化を遂げ今では口腔内スキャンに代わりつつあります。従来の「型取り→石膏模型化→技工」のスタイルは「スキャン→データ処理→セラミックの削り出し」となり模型を介さないので精度は抜群の状況に。インプラントや矯正までもがスキャンのみで可能になりました。保険適用外にはなりますが麻酔が奏功している二時間弱内に簡単なセラミック修復物なら接着まで出来る時代に移行しました。
➋ ジルコニア素材の進化
従来のセラミックは強度に不安があり奥歯では破折が頻発。昨今では材料技術の進化が著しく人工ダイヤモンドとも言われる高強度セラミックのジルコニアが白い歯の主流になり前述のスキャン対応が可能です。欠点だった真っ白過ぎた色合いも格段に進化を遂げ前歯も奥歯の2歯欠損のブリッジも十分に可能。逆に金属よりも格段に硬いが故に根の処置等が必要になった際には外すのが大変なことが欠点に挙げられますが、接着剤性能も向上し劣悪な口腔内環境下で威力を発揮する素材になりました。
➌ 保険の被せ物や詰め物も
保険適用のパラジウム金属が歯科以外でも頻用され加えてロシアからの輸入停滞も重なりここ数年間で何倍にも高騰。金属アレルギーの懸念も相俟ってハイブリッドセラミックなる高強度プラスチック素材が保険導入されました。模型スキャンに限るという制約はありますが前述の歯科CAD/CAMシステムで製作も可能。徐々に保険での適用範囲は拡大し今では85%の歯(条件あり)で被せ物だけでなく一部分の詰め物まで金属を使わない白い歯の保険修復が可能になりました。