虫歯のなりやすさは環境に左右される
患者さんとお話ししていると、よく「歯医者さんは虫歯にならないんですよね!」と言われます。もちろんそんな事はありませんし、私たち歯科医療従事者も当然 虫歯になります。(汗)
ただし、一般の方々よりはブラッシングを怠らないことは確かであり、加えて日々の生活が「虫歯になりにくい環境」にいることは間違いありませんでしょう。
唾液は魔法の水
この「虫歯になりにくい環境」とはどういうものかご存知ですか?
まず、虫歯は「酸で歯が溶ける」というトラブルですので以下のポイントが重要です:
● 酸をできるだけ作らせない、摂取しない。
● 酸を摂取しても速やかに除去すること。
これらへの対策として、虫歯菌を活発化させないようなブラッシングが間違いなく重要です。最近では酸性飲料にも注意が必要と言われます。
さらに「唾液」の効果も欠かせません。唾液は「魔法の水」とも呼ばれるほど、口腔内を浄化し、殺菌効果があり、さらに歯の再石灰化(歯面の修復)にも役立つ素晴らしい存在です。野生動物や原住民族の方々がブラッシングなどせずとも虫歯にならないのは、彼らが唾液に依存した生活をしているからだと考えられます。
虫歯になりにくい環境とは?
ただし、唾液の効果を発揮するにはポイントがあります・・・ある程度の時間が必要なのです。
食事そのものは問題ありませんが、その後に唾液が十分に働く時間があるかどうかで結果が変わってくると思われます。私たち歯科医療従事者が「虫歯になりにくい環境」にいると前述しましたが、考えてみると私たちは一切の間食をせず、口を潤すのもお茶や水などの中性飲料のみです。さらに、説明する際にはひっきりなしに話していますので、唾液は分泌されっぱなしでもあります。
食間隔を十分に空けましょう
食事にメリハリを持たせる方(イラスト・左)は、歯の表面が脱灰しても唾液が修復してくれますが、間食を続ける方(イラスト・右)は、唾液による再石灰化が間に合わず、マイナスの影響が蓄積されるイメージを持っていただければと思います。
お医者さんだって風邪を引くことや体調不良になることもありますよね。私たちも同じですが、日々の仕事スタイル(間食なし)がプラスの影響を与えているのかもしれません。
欠かせない御自身でのケア
私たち歯科医療従事者であっても、当たり前ですが虫歯にならないわけではありません。虫歯の発生は個人の生活習慣やケアの徹底度にも関わって来ますので、定期的な歯科検診や適切なブラッシング、食事のバランスなど御自身での管理がとても大切です。
最後に、私たち歯科医療従事者は患者さんが虫歯にならないようにサポートする役割を果たしています。予防を重視した指導や適切な治療を提供することで皆さんの口腔の健康をサポート致します。
虫歯予防のためには定期的な歯科検診や相談が重要ですので、まずはかかりつけの歯科医院にご相談ください。