院長のコラム

インプラントはMRI撮影も問題なしです

最近、インプラント治療を受けられた患者さんや、医療従事者の方から次のようなご質問をいただくことが多くなりました。
「インプラント治療を受けた人は、MRI検査(核磁気共鳴画像法)を受けられないって聞いたのですが・・・」
インプラント治療を受けたからといって、MRI検査を受けられないわけではありません。おそらくインプラントそのものの素材や意味合いがハッキリしないが故に案じられるんだろうと思われますが、この件に関してはご安心下さい。一部の例外はあるにはあるのですが、基本的にはまったく問題がありません。

一部の例外って何でしょう?

一部の例外・・・世の中にはいろいろなことを考える方がいらっしゃって、外れやすい入れ歯を何とか磁石(磁力)で外れにくくできないかと考えた方がいらっしゃるのです。
磁性アタッチメントと呼ばれるものがそれでして、根っこだけが残った歯や埋め込んだインプラントにキーパーと呼ばれる磁石を装着し、着脱する入れ歯の方にもう一個の磁石を埋め込み、その磁力で入れ歯の安定を図ろうとするのがそれです。

磁性アタッチメントの断面図

マズいのは磁性アバットメント

理に適った手法ではあるのですが、その状態でMRI検査を行った場合は磁力の影響が及ぶエリア(半径数センチ)は真っ白になって何も写らないのでマズいのです。(泣)
「歯根」に相当する部分が「インプラント」だったりする場合には、確かにその「インプラントはMRI検査に適さない」と判断されることになりますでしょう。つまりダメなのはインプラントではなく「磁性アタッチメント」ってことなのです。普通のインプラントでしたら問題はありません。

医療機関にご相談下さい

何を隠そう、亡父が実際その状態でした。鼻の病気があってMRIの検査をする際に、歯根の内部に上図のようにしっかりと接着してあったキーパーを外すことを余儀なくされました。もちろん二度と取れないように接着してあるのでやむを得ず壊して外すしかなかったのです。(泣)
磁力に反応する金属を用いたインプラント治療を受けた方は、MRI検査を受ける前に、必ず医療機関にご相談ください。ご家族の方も御注意いただいてた方が宜しいかもしれませんね。

酒井直樹

酒井直樹

医療法人SDC 酒井歯科医院 理事長/院長

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