噛むことに重点をおいた食材
食後にリンゴが良いと耳にされた事はありませんでしょうか?
それは食物繊維が含まれるものをよく噛む事で、食物繊維が歯ブラシの役割をして、歯の表面の汚れを落としてくれるからです。さらに食事中に取る食材でレタスなども良いとされています。
「噛む」事の一番の良さは、唾液がよく出るようになる事。1日に1,500ccも分泌される唾液は、その流れで口の中を自浄する作用を持ちます。また食物中の酸を中和する作用でむし歯、歯周病の予防をしてくれます。
この秋、噛む行為に注目した商品が出てきました。
噛むことに重点をおいた食材一般の板状のガムと比べると固く、とにかく噛み応えがあるようです。噛んでいてもすぐに味がなくなる速さも一般のガムより長いようです。
13分間ゆでる超極太そばも、のどごしするりではなく、噛まなければ飲み込めないと思います。日本人が好きなおせんべいも硬度を1から5までの数字で商品のパッケージに表示するものも出てきました。いずれにしても噛むという行為は全身の健康にとって良いことであるのは間違いないようです。
アフリカの原住民の方のブラッシング
ナニかのテレビ番組でアフリカの発展途上国の方々のブラッシング光景というモノを目にしたことがあります。我々が日頃使って居る電動歯ブラシは勿論のこと、普通の歯ブラシも無い様な途上国の皆さん。それで居ながら口腔内のトラブルは我々日本人に比べて異様に罹患率は低かったりするんだそうです。
どのようにして守ってるかと申しますと・・・・
植物の硬めの根を割いて繊維質の筆のような状況にしたものを準備して、それを口腔内に入れて、磨くのかと思いきやひたすら噛んでるだけだったのです。
それにより唾液が潤沢に出て、唾液の持つ自浄作用と殺菌作用だけで口腔内を守ってる姿にチョイと驚きました。モチロン、我々とは比較にならないような糖分摂取量の低さでしょうし、メタボに悩むほどには摂取量も多くはありませんでしょう。
案外、彼等の方が文明の栄えた我々よりも『人間である前に動物としての基本』を御存知なのかもしれませんね。
執筆・監修歯科医
医療法人SDC 酒井歯科医院
院長 酒井直樹
1980年 福島県立磐城高等学校卒業
1988年 東北大学歯学部卒業
1993年 酒井歯科医院開院
2020年 医療法人SDC 設立