最近、お口の中が乾きやすくなったと感じる方はいらっしゃいませんか?
唾液の分泌量が極端に減少し、口腔内が乾燥する状況をドライマウス(口腔乾燥症)と称します。自覚症状は下記が挙げられます。
- 唾液が出ず、口が渇く
- 口の中がパサパサする
- お煎餅などの乾物が食べにくくなった
- すぐ飲み物が欲しくなる
- 寝ている間に口の中や喉が痛くて目が覚める
これらに加えて、最近は直接的に関係ないような訴えも耳にすることが多くなりました。
- 味がよく解らない
- なんだか口の中が痛い
- 口臭が気になりだした
- 口内炎や口角炎ができやすい
- 急にむし歯が増え出した
薬が原因だったりします
原因は様々あるようですが、多いのが薬剤の副作用です。私自身も経験ありますが、市販の風邪薬でもなりますし、多くの方が服用している降圧剤や睡眠剤、抗アレルギー剤などでもドライマウスは引き起こされます。
口呼吸はマズいのです
蓄膿症等に代表されるような鼻疾患があると必然的に鼻呼吸が阻害され口呼吸になりがちです。口腔内の水分が蒸発しやすいのでドライマウスを引き起こしやすくなります。
全身疾患が原因になる事も…
高熱にうなされている時は全身が脱水症状になり、当然の様にドライマウスになりましょう。また、中高年の女性に多く見受けられるシェーグレン症候群という自己免疫疾患のひとつの症状として発現することも知られています。この際は同時にドライアイ(目の乾燥)も併発しますので異常を感じ取りやすいと言われます。
合併症に注意が必要です
普段それほど意識しない唾液の存在ですが、唾液には口腔内の免疫維持や傷の治りを早める成分が多分に含まれていることを鑑みると、「唾液減少=口腔内抵抗力の減退」が引き起こされます。我々もよく経験するのですが、歯がとても丈夫だった方が急にむし歯だらけになったり、口腔カンジダ症、口内炎、黒毛舌などに罹患しやすくなるようです。
ドライマウスの治療法
原因がハッキリしないことが多く、対処法は容易でなかったりします。まずは薬剤師さんにお薬の相談が必要になることが多いです。
どうしても口腔内状況の劣悪化が生じやすいので、適切な口腔ケアが求められます。マッサージやブラッシングが手っ取り早い唾液増量に不可欠だと思います。
ドライマウスに関しては、最近御相談が多いのでこちらのブログで取り上げています。
執筆・監修歯科医
医療法人SDC 酒井歯科医院
院長 酒井直樹
1980年 福島県立磐城高等学校卒業
1988年 東北大学歯学部卒業
1993年 酒井歯科医院開院
2020年 医療法人SDC 設立