この日曜日に、『厚生労働省 令和3年度 慢性疼痛診療システム普及』を目的に表題の講習会が開催され興味深く拝聴いたしました。
日々の歯科臨床に携わっておりますと、実際に御本人が痛いと仰ってはいても原因が特定出来ないことが多々あります。実際にむし歯とかが全く無くとも非歯原性疼痛なるモノを訴える方が少なからずいらっしゃるのです。
これは疼痛錯誤の状態で、現実問題として歯には異常が無いので、神経を除去しようがはてまた抜歯をしようが痛みは消えてくれないのです。
なかなか理解されにくい話にはなるのですが、基本は『疑わしきは罰せず』がベスト。
原因が明らかであればその限りではないのですが、困ったことに御本人は実際に痛みを感じてらっしゃるので解決出来ないジレンマのようなことを歯科医師側も抱えることにはなるのです。
口腔周囲を始めとして頭頸部には神経網が恐ろしいほどに張り巡らされています。関連痛として想像もしなかったような部位が本当の原因だった・・・なんてトラブルもあることを記憶いただいてますと、不必要に歯を削ったり神経を取るようなことを減らすことに繋がると考えられます。